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雪の日に車のワイパーを立てる科学的理由とは?

      2016/11/23

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雪が降りますと、車のワイパーが立っている光景をよく見かけると思いますが、なぜ車のワイパーを立てているのでしょうか?

私は、1年間富山に住んでいた時期がありまして、その時に初めてマイカーを購入して運転していました。

ただでさえ、車に関する知識もないまま車を運転していたのですが、富山は豪雪地帯であるため、車の雪対策は万全にする必要がありました。

私自身、雪が積もってもスタッドレスタイヤは装着しているし、雪が積もっても雪かきをすれば大丈夫と思っていたのですが、初私も含め、人間は簡単に出来る事ほど疎かにしがちな生き物であるため、たかがワイパーを立てるという作業を軽視してしまいます。雪観測時に、ワイパーを立てておくべきだったと思い知らされる出来事が起こりました。

雪国で生活している方は十分知っている内容かと思いますが、私みたいに雪に慣れていない方、雪が降らない地方に住んでいる方は、車の雪対策もおろそかになりがちです。

私も含め、人間は簡単に出来る事ほど疎かにしがちな生き物であるため、たかがワイパーを立てるという作業を軽視してしまいます。

雪が降る量や積雪量は自然の事ですので私たちで対策をする事は出来ませんが、天気予報で雪が降りそうな日は、前もって車のワイパーをたてて置くだけでも、車の雪対策としてはかなり効果が期待出来ます。

この記事では、雪が降った時は車のワイパーを立てておくべき理由を科学的根拠に基づいてお話していきます。

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車のワイパーを立てなかった事で起きた悲劇とは?

私は、初雪が観測された日の朝、車のワイパーを立てておらず、普通に車で会社に通勤しようとして駐車場に向かいました。この時、雪はまあまあ降っていました。

駐車場につくと、駐車していた車はすべて雪が積もっていたのですが、私の車以外すべてワイパーが立ててありました。

私は、普通に雪かきをしてフロントガラスの雪をどかそうとしたのですが、ワイパーが雪に埋まって全く見えず、ワイパーを傷つける事わけにはいかないため、慎重に作業したため時間がかなりかかってしまいました。

そして、雪かきが終わった瞬間、左側のワイパーが雪の重みで折れていました。

右側のワイパーは折れていなかったので、車の屋根の雪をとったものの、雪が溶けた水がフロントガラスに滴り落ちていたので、ワイパーを動かしてみたのですが、ワイパーとフロントガラスがくっついて完全に凍っていました。

ワイパーにお湯をかける事で何とか右側のワイパーが動くようになったものの、フロントガラスもまだ凍っていたので、ワイパーのゴムが摩擦の関係で切れそうで怖かったです。

その後、右側のワイパー(運転席側)は問題なく動いたので、遅刻を前提に出勤をしようと決意して運転をしました。

ところが、駐車場を出た瞬間に雪が強く降ってきて、フロントガラスの左側に雪がどんどんと積もり、左側の視界が悪くなったのと、右にハンドルを切ると、左に偏っていた雪が右にどんどんと流れるわ、車の屋根から雪ががんがん落ちてきて、右のワイパーだけではどうする事も出来ず、出勤を諦めて修理の人に来てもらいました。

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悲劇が起こった理由を科学的に解説

ワイパーが折れた理由

雪は水に比べて密度が小さいため、同じ重さでは雪は水に比べて軽いです。

雪の重さはその時の状況で変わり、降り積もった直後の新雪の場合、1立方センチメートル(1cm×1cm×1cm)当り0.1g程度です。水は1gですので、1/10の重さになります。

しかし、積った雪は、重力や雪融けで水分が外に出る分だけ密度が増加するため、新雪の時の3~5倍の1立方センチメートル当り、0.3g~0.5gくらいになっていることが多いです。

実際、雪かきをされた経験がある方は分かると思いますが、降り積もった直後の雪はさらさらしていて雪かきもしやすいのですが、降り積もって時間が経つと中で水分が出ているため、水気を含んだ重たい雪になり重労働になります。

例えば、普通自動車のサイズの基準となる全長470cm、全幅170cmとした場合、(このサイズを一つでも満たすと普通自動車扱いになるため)フロントガラスと車の屋根に1cmの雪が積もった場合、車全体にかかる雪の重さは

470cm×170cm×1cm×(0.3g~0.5g)=約66kg~110kg

となります。

車の屋根に積もった雪は、フロントガラスにも流れ落ちる事もあるため、正確にはフロントガラスに積もった雪の重さは分かりませんが、たかが1cm積もっただけでもかなりの重さがワイパーにかかっている事は想像するのは難しくないと思います。

ワイパーとフロントガラスが凍ってくっついた理由

雪そのものがワイパーやフロントガラスを凍らせているわけではありません。勿論、雪そのものによって凍る可能性もありますが、メインの理由ではありません。

雪が降る時の条件は、大気中の気温がかなり低く、地上付近でも気温が3℃を下回っている時であるため、ワイパーを立てておかないと、普段はフロントガラスと密着しているため、雪が降ると隙間に雪がはさまり、雪から水分が出る事で、冷やされて凍っていまします。

また、フロントガラスは、雪の時だけなく放射冷却による影響と霜の時も同様に凍るため、フロントガラス対策を取らないと、ワイパーが折れる心配はほとんどありませんが、凍ったままワイパーを動かす事で、ゴムが摩擦で破れる可能性が高くなります。

つまり、冷え込みが厳しいときや、霜が降りそうな時もワイパーを立てておいた方が良いのです。

関連する記事として以下の記事もご覧ください。

放射冷却についてわかりやすく解説

霜が降りる条件と車のフロントガラスの霜対策とは

最後に

近年の異常現象を抜きにしても、都心部でも雪が積もる可能性は十分に考えられるため、雪が降る日までのワイパーを立てることで、ワイパーを折る事もなく、ワイパーのゴムを切る事もなく、そしてなにより雪かきそのものが楽になります。

たかが、ワイパーを立てるだけですが、ワイパーを立てるのと立てないとでは、その後に雪対応がスムーズに行くか、苦労するかが決まってしまいます。

しかも、ワイパーを立てるのは雪だけでなく、冷え込みが厳しい時も放射冷却の関係でフロントガラスが凍る可能性があるため、冬の車対策としてとても重要な行為であることが分かります。

そのため、ワイパーを立てる理由をきちんと理解した上で、雪が降る前にワイパーを立てる習慣を身につけましょう。

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