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電子レンジの仕組みと疑問を簡単に解説

      2016/12/30

電子レンジは、冷めた料理を温めてくれたり、あらかじめ食品を加熱して味を染み込みやすくしたり、調理時間を短縮する手段として大変重宝されています。

普段、当たり前に使っている電子レンジですが、

・なぜ火を使わないのに加熱出来るのか?

・電子レンジが使える食品と使えない食品の違いとは?

・電子レンジで使える容器と使えない容器の違いとは?

・なぜ電子レンジは扉を閉めてからでないと作動しないのか?

といった疑問は持っている方は多いと思います。

電子レンジの仕組みを理解する事で、調理の幅が広がるのと、電子レンジは使い方を間違えると火災や爆発といった事も十分起こりうるため、危険予防につながります。

これだけ身近な家電でありながら、意外と電子レンジの仕組みを理解していない人は多いように感じます。

上記の疑問さえきちんと理解出来れば、電子レンジを安全に便利に使う事が出来るので、この記事では、電子レンジの仕組みについて説明していきながら、上記の疑問を中心に解説していきたいと思います。

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電子レンジの仕組みを解説

電子レンジはマイクロ波を使って食品を直接加熱します。

電子レンジのなかには、マグネトロンという強い電波を発生させる装置があり、そこからマイクロ波を発生させています。

マイクロ波は、波長が1cmと短く、周波数(1秒間に現れる波の数)が2450MHzであるため、1秒間に24億5000万回も振動している電波です。

マイクロ波が食品にあたると、食品中の水分子が振動や回転をして、水分子同士がぶつかって摩擦を起こします。

この摩擦熱で食品が温められます。

もう少し科学的に解説すると、氷と沸騰中のお湯の水分子の様子を見ると、氷の状態では水分子は固まって微動だに動かないが、沸騰中のお湯では水分子が自由に動きまくっています。

水の温度を上げると水分子は自由に動き回り、水の温度を下げると水分子はほぼ不動の状態になります。

そのため、電子レンジは、マイクロ波をあてる事で食品中の水分子を動かして温度を上げているという事になります。

電子レンジが使える食品と使えない食品の違いとは?

水分がある食品はOK、水分がない食品はNG

電子レンジは、食品中の水分子を動かす事で、食品の中から熱を通すと説明しました。

つまり、電子レンジが使える食品の大原則は水分がある事です。

逆に言えば電子レンジが使えないのは、食品中の水分量が少ない時です。

ほとんどの食品は水分を含んでいるため、この条件で引っかかる事が少ないですが、この理由によって、電子レンジが使えない食品の例をあげると、

・芋類(里芋、さつまいも、じゃがいも、かぼちゃなど)

・ドライフルーツ全般

があります。

これらの食品は、そのまま加熱すると、水分が完全に蒸発してしまうため、煙が出て焦げてしまい、最悪発火する危険性も潜んでいます。

この場合、そのまま加熱するのではなく、一度水につけてから電子レンジで加熱します。

水につけてラップでくるんで加熱するか、耐熱ボールに食品と少量の水を入れてラップして加熱すると良いです。

膜がある食品はNG

殻や膜で覆われたものは、温度が上がる事で食品中の水分が膨張し、殻や膜が抑えきれずに爆発する危険があるため、絶対にやめてください。

温度が上がると圧力が高くなり、殻や膜に水蒸気が溜まってしまうと、圧力に耐え切れずに爆発します。

これらの理由で電子レンジが使えない食品の例をあげると、

・卵

・銀杏

・栗

・レバー

・イカ

・ソーセージ

・たらこ

・トマト

・ぶどう

があります。

殻や膜が厚い薄いは関係無く、電子レンジにかける場合は、殻や皮をむく、細かく切る、串やフォークで穴をあけるなどをして、蒸気が殻や膜内に溜まらないようにする必要があります。

とろみのある液体はNG

カレーやミートソースなどを電子レンジで加熱してとき、マグマのように周辺にソースが飛び散って掃除が大変だったという経験は誰しも一度はあるのではないでしょうか?

この原因は、専門用語で「突沸(とっぷつ)」にあります。

突沸とは、液体を加熱して沸点に到達してもすぐに沸騰されず、しばらくして急に暴発しながら沸騰する事です。

沸騰中は、水分子が活発に動き回りたいのですが、とろみのある液体は粘度が高くて、本来は動くはずの水分子が思うように動けず、無理やり動こうとして外に出ると勢いよく爆発します。

このような食品を温める時は、出力ワットを低くして短時間の温めで様子を見て、一度取り出してかき混ぜてあげると良いです。

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電子レンジが使える容器と使えない容器の違いとは?

水分を含まない容器はOK、水分を含む容器はNG

電子レンジは、マイクロ波によって水分子を動かして温めるため、容器そのものが水分を含んでいると、容器が変形したり、焦げたりする可能性があるため使用出来ません。

水分を含む容器は以下のようなものがあります。

・ざるやかご

・紙パック

・木の製品

・漆器製品

・陶器

ガラス容器、樹脂容器はOKだが、耐熱性の無い場合はNG

 

ガラス容器や樹脂容器は使用する事は可能です。

しかし、耐熱性が無かったり弱いものは、ガラス容器の場合はひびが入り、樹脂容器の場合(140℃以下の耐熱性)は溶けたり変形する可能性が高いです。

サランラップはOK、金属(アルミホイル)の使用はNG

容器ではないですが、食品をくるんで電子レンジで加熱する事は多々あります。

サランラップは言うまでもありませんが、ついやってしまいがちなのがアルミホイルをまいて電子レンジで加熱するパターンです。

金属は電子レンジの電波を反射する性質があり、反射する時に火花が発生するので、金属系のものを電子レンジに入れないようにしてください。

金属は自由に動ける電子があるため、加熱すると激しく動くため火花となって火災を引き起こす可能性が増えます。

最後に

電子レンジは非常に使いやすく便利な家電ですが、使い方ひとつ間違えるだけで大惨事を巻き起こすという意識を常にもっていなければいけません。

電子レンジに使われるマイクロ波は、人体に有害なもので直接浴びるのは危険であるため、外に漏れないように扉を閉じてからでないとスタート出来ない設定となっています。

しかし、電子レンジの仕組みさえ基本を抑えていれば、安心して使えるので、この機会に電子レンジの仕組みをしっかり理解しましょう。

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