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銀鏡反応の原理と反応式について

      2017/01/06

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皆さんは普段から身支度する際に鏡を使用していると思います。

鏡の材料はガラスですが、ガラスの反射面には銀メッキが施されております。

銀は貴金属で高価なのですが、金属の中で一番反射率が高いため、鏡の反射面に用いるには最適な原料です。

実は鏡を製造する際に施される銀メッキは、高校の有機化学の授業で勉強します「銀鏡反応」の事を指し、有機化学の分野でアルデヒドの検出反応として銀鏡反応がよく出ており、大学入試でも度々出題されています。

そのため、銀鏡反応は高校の化学実験や化学実験イベントで鏡を作る時によく実施されています。

この記事では、銀鏡反応の原理と反応式、銀鏡反応実験についてお話する事で、学校の定期テストや大学入試において、アルデヒドの検出反応についての理解を深めるきっかけになれたらと思います。

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銀鏡反応実験のやり方

まずは、一般的な化学実験で行われます銀鏡反応のやり方についてお話します。

私も大学時代のサークルで展示物を出す際に、ガラスに銀鏡反応させて銀メッキをした経験がありますが、実際に実験に携わって、きちんとアルデヒドの検出反応について理解する事が出来ました。

そのため、化学の入試問題で化学反応の問題を解く際は、できる限り実験方法と結果を理解すると、知識の定着が抜群に良くなります。

実験は、無電解メッキの方法で行い、析出させる金属を含む水溶液溶解する化合物還元剤を液に溶かし、メッキさせたい物を液に漬けて表面で金属を析出させる方法です。

準備する物

ビーカー、純水、グルコースまたはホルマリンやアセトアルデヒド(アルデヒド基を持つ化合物)、硝酸銀(AgNO3)、水酸化ナトリウム(NaOH)、アンモニア水

実験操作と解説

①硝酸銀に純水を加えて、硝酸銀水溶液を調製。

[目的]硝酸銀の銀イオンを沈殿させる

(反応式)2Ag++2OH→Ag2O+H2O

②硝酸銀水溶液とアンモニア水を混ぜる。(アンモニア性硝酸銀水溶液の調製)

[目的]大量のアンモニア水により沈殿した銀イオンを錯イオン化させる

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→酸化銀(Ag2O)の暗褐色沈殿を生じるが、過剰のアンモニア水を加えると、銀イオンが錯イオンであるジアンミン銀(Ⅰ)イオン[Ag(NH3)2]+を形成して水に溶解し、透明な水溶液になります。

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図:化学受験テクニック塾参照

(反応式) Ag2O+4NH3+H2O→2[Ag(NH3)2]++2OH

③ビーカーに②の溶液とグルコース(アセトアルデヒド、ホルマリンでもアルデヒド基を持つ化合物)を入れて、さらに水酸化ナトリウムを加えてアルカリ性にして、50~60℃のお湯につけて、銀を析出させる。

[目的] グルコース(アルデヒド基を持つ化合物)と酸化還元反応させる事で、錯イオンから銀を析出

[参考動画]

→溶液をアルカリ性(動画では名前:の部分に値すると推定)にするのは還元剤の酸化還元電位を低くコントロールして、反応性を高めるためです。

→アルデヒド基(-CHO)を持つグルコースは、還元性を持つため、銀イオンが還元されて銀が析出され、一方でグルコース自体は酸化されるため、水素イオンを加えてカルボン酸(-COOH)になります。

(反応式) RCHO+2[Ag(NH3)2]++2OH→RCOOH+2Ag+4NH3+H2O

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試験における銀鏡反応の考え方

さきほどは、銀鏡反応の原理と化学反応式を実験手順に沿ってお話しましたが、ここでは、入試問題における銀鏡反応の問題の取り組み方についてお話していきます。

①銀鏡反応はアルデヒドの還元性を利用した反応であり、アルデヒドと還元性は、切っても切れない縁であることを頭に入れましょう。

②銀鏡反応は、NH3+硝酸銀+加熱または、アンモニア性硝酸銀を加熱すると、という形でに問われます。

有機化学の反応式は、いきなり書けと言われて書けるものではありませんし、銀鏡反応でも出てきましたが、錯イオンや酸化還元の知識をしっかり理解しておかないと、いくら原理が分かっても苦戦するかと思います。

私の経験談ですが、有機化学は、反応工程の原理と理由を追求し、それらを示す化学反応式は、化学の一番最初で勉強する理論化学の内容をしっかり把握するという形が一番良いのではないかと思います。

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